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面白い記事です。

私の知り合いで農業をしている人がいるのですが、その方は「この世界、ほんのひと工夫するだけで食っていける」と豪語していました。(どんな工夫かは言えないのですが…)

上の記事を書いた方は、もっと様々な工夫を重ねて、ビジネスの形を作りあげています。

どんな分野にも、このように成功したニッチ事業者がいるものだなあと感心します。


著者は「営業しない」ことをポリシーとしている農業事業者です。栽培した野菜の95%をレストランに直接販売しているそうです。

顧客がレストランだということですから、シェフが求める野菜を栽培する必要があります。

そこで著者は、ふだんからシェフが読むような料理雑誌をしらべ、どんな野菜が求められているかを研究しているのだとか。

いわゆるマーケティング・リサーチ活動ですね。

ありきたりの商品は扱わない


やってはいけないこととして、種メーカーのカタログから扱う野菜を選ぶことだと仰っています。カタログに載るのはある程度、メジャーな品種だから、ありきたりになる、という意味です。

著者は、ネット検索を工夫することで、まだ他の事業者が目をつけていない品種に取り組むことを心掛けているそうです。

このあたり、著者のビジネスが、商品差別化を売りにしたニッチ・ビジネスであることを示しています。

ありきたりの商品であれば、わざわざ小さな事業者から購入する理由がありませんからね。

著者は、「出荷は週1回」「一出荷当たりの最低価格は決めておく」「野菜の種類や量はおまかせ」「雨の日は出荷しない」など、そうとう有利なビジネスのやり方を貫いています。

もちろん、ビジネスを成立させるための工夫なのでしょうが、それを可能とするためにも、相手がどうしても欲しい、他では手に入らない商品を扱う必要があるわけですね。

レストランはなぜタケイファームの野菜を選ぶのか?

地場野菜を扱わない理由


また上の記事には、著者が地場野菜を扱わない理由を書いています。こちらも面白い。

簡単にいうと、

(1)地場野菜は、地域そのものが価値となるため、他の事業者と差別化しにくい。

(2)地場野菜は、その地域の土壌や気候に適したものなので、外れた地域で作ったら品質が保証できない。

ということのようです。


どの業界でも、考えながらビジネスしている人の話は参考になるものです。