新幹線清掃「ハーバード経営大学院」の必修教材に
■新幹線を清掃する会社JR東日本テクノハートTESSEI(テッセイ)の事例が、ハーバード経営大学院の必須教材になったということです。
以前も話題になり、ブログに書きました(3K職場を生き生きとした職場にする方法)が、これでまた話題となっています。
テッセイの方にも励みになることでしょう。
■折り返しの新幹線の清掃という仕事は、やって当たり前、ミスをすれば叱責される仕事です。
しかも、7分間という時間制限があるので、けっこうキツイはず。
従業員のモチベーションが上がりにくい仕事だと思うのですが、この会社は、見事にやる気のある組織を作り上げています。
簡単に言ってしまえば、テッセイは、人の意識を変えることを徹底しました。
清掃は裏方のキツイ仕事だという認識を、新幹線という最高の空間を作り上げる誇りある仕事であると。
そのために、仕事現場を「新幹線劇場」と呼んだり、社員の制服をテーマパークのクルーのようにしたり。
その他、自主性をもって取り組むことができるストーリーとそれを補完する仕掛けを多く作ったようです。
見事な事例です。が、それがハーバード大学の必須教材になるほどのことだろうか?と思わなくもない。
というと、ひねくれていますかね。
■ただ、ハーバード大担当教官のこの発言を聞くと、頷けます。
バーンスタイン氏は「入学してくる学生の中には単純に、リーダーシップとはコントロールすることであり、金銭的な動機付けでほとんどの組織の問題は解消できると考える者もいる。矢部さんはもっと進んだ手法を採用した。学生は多くのことを学ぶだろう」と期待している。
ハーバード大で学ぶ人たちが本当に「金銭的な動機付けでほとんどの組織の問題は解消できると考える」のでしょうか。
同大学には、新興国から来る人が多いので、自国の事情に照らし合わせているということですかね。
日本をはじめ、先進国では、人が金銭的動機だけで動かないということは当たり前だと思っているはずです。
だけど…確かに、西欧にはポジショニングに偏った経営の仕方(要するに、戦略方向性が正しければ、あとはやるやらないの問題。強制的にやらせりゃええやんという経営手法)が多いような気がする。
それが「報酬さえ与えればいいや」という安易かつ傲慢な考えになっているとすれば、テッセイの事例は「進んだ手法」に映るでしょうね。
■西洋で使われる経営手法や戦略理論が、そのまま日本で使えるわけではない。という認識はあります。
が、実際には、結構、西洋のやり方が間違っていたり劣っていたりするだけかもしれませんよ。
場合によっては、日本のやり方の方が優れていて、世界に通用するんじゃないだろうか。
と思う事例でした。
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