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電気自動車の開発状況がよくわかる記事です。


2年前より電気自動車開発を表明していた家電メーカーのダイソンが、撤退を発表しました。

電気自動車は、家電製品になるのか


一般には、電気自動車は部品点数も少なくユニット組み立てで足りるので製造が簡単になると言われてしましたから、家電メーカーの参入もさもありなんと思っていました。ダイソンが成功すればさらに多くの家電メーカーが参入するんじゃないかと。

が、そんな簡単なもんじゃないよ、と記事は言っています。

バッテリー効率が悪く、ガソリン車には大きく見劣りする


まず前提として、電気自動車はバッテリーの効率が悪く、ガソリン車と比べると、見劣りするということです。

技術は日進月歩だといっても、まだまだ時間がかかるらしい。

商品として適正なバランスに達するには、まだあと100倍くらい進歩が必要だ。今の10倍ではまだ厳しい。EVは必須の技術であり、今後も継続的に開発投資が進むだろうが、2年や3年でどうにかなるレベルにはない。早くとも2030年くらいまではかかるのではないか。

そんな状況ですから、ガソリン車と同じような性能を求めることはできません。

テスラの高級路線を各社が狙い撃ち


しかし電気自動車シフトは世界共通なので、各社とも知恵を絞っています。

まず電気自動車最先端のテスラは、値段なんて気にしない客をターゲットにした高級車路線に入りました。

効率の悪いバッテリーですから、大量に必要です。値段が高くなります。それなら最初から高級車としてプレミア価格つきで売り出してやれ、という発想です。

とりあえず環境に配慮した車に乗るのはカッコいいと思えるお金持ちに受けて、これはヒットしました。生産能力がダメで苦労はしていますが、これはひとまず成功です。

が、高級車なら売れると知った既存自動車メーカーは、いっせいにこの層を狙ってきています。

すでにポルシェはタイカンを、ジャガーはI-PACEをデビューさせているし、フェラーリもアストンマーチンもロータスも、軒並み超高性能EVをリリースする。ランボルギーニはBEVは作らないそうだが、フォルクスワーゲングループの一員なのでポルシェ・タイカンのコンポーネンツはいつでも使える。PHVの計画はすでに発表済みだ。もちろんすでに先行しているベンツ、BMW、アウディもラインナップを増やしてくるだろう。

という状況らしい。これではテスラの寿命も長くないんじゃないかと思えますな。

日産、トヨタの試み


日産も比較的安い価格帯の電気自動車リーフを出していますが、これは先行投資的な意味合いの車で、採算度外視だそうです。

今後、バッテリーの効率が上がって採算の目途がついた時点でシェアをとっておきたいという思惑みたいです。これは相当の体力がなければできません。

いっぽうトヨタは、ビジネスユースに特化した「ちょい乗り車」で事業化を目指しています。ちょい乗りとは、連続走行距離をそれほど求められないこと、ですからバッテリーの効率が悪くても何とかなります。

地域の宅配車とか、介護用とか、路線バスとか、それほどの走行距離がなくても困らないニーズはあるはずです。その細かな需要を救い上げるのに、自慢の営業力を発揮しているのでしょう。

そんなわけで各社とも、欠陥だらけの電気自動車技術を使って、いかにしてビジネス化していくかに工夫を重ねています。

要するに、電気自動車の技術はまだまだ発展途上だということです。

そこにいま参入するのは、得策ではないな、とダイソンが判断したということで、早い決断はよかったのだと思います。

状況がよくわかり、勉強になりました。