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MaaSが自動車産業の主役になる


MaaSとは、モビリティー・アズ・ア・サービス(Mobility as a Service)の略で、自動車などの移動手段を保有せず、必要なときだけ料金を払い利用するサービスの総称です。

海外ではウーバーテクノロジーズが、個人の車の「相乗り」を仲介するビジネスを行っています(日本では白タク行為として禁止されています)が、それが現状、MaaSの典型例です。

他人の車に相乗りさせてもらうのは気乗りしないという人も、無人の自動運転車などが普及してくれば、気兼ねなく利用するようになるでしょう。

そうなると、自動車の社会的な台数じたい大幅に減少しますから、自動車メーカーとすれば存亡の危機です。

だから将来的には、使用料を受け取るMaaSを運営する会社が、自動車産業の主役になってくると考えられています。

すなわち、ウーバーや滴滴やリフトなど。あるいはグーグルやアップルやアマゾンなどのIT企業が自動車産業を牛耳るようになるかも知れません。

黒船の襲来に、国内企業が団結


トヨタとソフトバンクが組んで、MaaSを運営する会社、モネテクノロジーを設立しましたが、その会社にライバルであるはずのホンダも出資するというのは、海外勢にビジネスのおいしいところを持っていかれるのではないかという国内勢の危機感の現れです。

自動車会社だけではありません。小売や物流や不動産会社など90社が連携をすると発表されています。

これは、自動運転車が普及するようになると、タクシーやバスなど交通機関だけでなはく、宅配や移動販売車、あるいは駐車場の設計などにも影響を及ぼすからです。

なにしろ自動車は主要産業であるだけではなく、社会インフラの根幹ですから、影響は多大です。記事では、世界で150兆円以上の市場規模になると試算されています。

公道での実証実験が進まなければ…


ソフトバンクはウーバーにも滴滴にも出資しており、グローバルなMaaS対策には抜かりなかったようですが、今回はトヨタの危機感に応えて、立ち上げに参加した形です。

もっとも先行するアメリカ勢や中国勢は、国をあげて実証実験に取り組んでおり、相当先に進んでいます。

日本は、公道での自動運転の実験を認めない自治体が多いので、実験場所に困っています。

自動運転の安全性を高めるには、実証実験が欠かせません。机上の計算でできる部分は、各国ともやり尽くしており、後は実際の道路における万が一のケースをいかに拾い上げ、対応していくかです。

せっかく日本勢が団結したのだから、早晩、実証実験の規模拡大をする必要があります。

永らく日本の自動車企業に煮え湯を飲まされてきたアメリカや中国は、いまこそ主役になる時だ!と息巻いています。

日本が、今までどおり自動車産業の中心であるためには、ここが正念場であるというのは確かでしょう。