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携帯料金の大幅値下げで話題のNTTドコモの状態がよろしくないという記事です。すみません、有料記事です。

売上規模では最小となるドコモ


携帯電話といえば、ドコモ、au、ソフトバンクの大手3社で9割のシェアを持つ寡占市場です。契約者を一定数集めると儲かり続けるビジネスですから、3社とも喧嘩しません。参入時に大暴れしたソフトバンクもいまやセレブの仲間入りですから、上品なものです。

その中でもシェアトップのドコモは大富豪ポジションで安泰だろうと思っていたらそうでもないらしい。

現在、ドコモのシェアは、37.4%。auが27.8%、ソフトバンクが21.0%。けっこう近づいてきています。

売上高でいうと、ドコモは、4兆6500億円。KDDIは、5兆2300億円。ソフトバンクは、4兆8600億円。(いずれも2020年3月期)

つまり、売上高においては、ドコモは最も小さい。営業利益においても、ドコモが一番見劣りします。

というのも、KDDI、ソフトバンクともに、携帯電話以外の分野(法人向けソリューション、ネット通販、クラウド事業、金融事業など)を伸ばしてきており、包括的なビジネス展開をしています。

これに対して、ドコモはほぼ携帯電話からの収入のみ。最近になってdポイントをやたら推しているのと、アマゾンと提携している以外は、目立った展開がありません。シェアトップ企業といえども、このままではじり貧になると危機感を抱かざるを得ません。

大NTTを復活させてGAFAに対抗する?


これに業を煮やしたのが、親会社であるNTTです。

昨年末、動きの鈍いドコモを完全子会社化し、そこにNTTコミュニケーションズ(クラウド事業など)とNTTコムウェア(ソフト開発事業)をくっつける動きに出ました。

つまり、ドコモを中心とした総合企業を目指す思惑です。

NTT関係者は、GAFAに対抗できる企業を目指すといっているので大きな話です。

もともと国営企業だったNTTは、民営化後も、競争上優先的な立場を活かすことに遠慮があったようですが、ここにきてそうは言っていられなくなったわけです。

国内企業は、大NTTの復活に警戒感を抱くでしょうが、GAFAに対抗するのだから、大きすぎることはありません。

が、規模だけ大きくしても、GAFAに太刀打ちできません。

何しろ、長年の行動規範で、保守的な人材が多い企業ですからね。人材を総入れ替えして、社風を一新するぐらいのことをしなければ、追随もできないでしょう。


今回、ドコモが5G携帯の思い切った格安プラン導入に踏み切ったのは、政府への配慮もあるでしょうが、親会社NTTに対してやる気をみせる意味合いが強かったのではないですかね。

何にしろ、思い切った施策は挑戦心を呼び起こします。

この一事で、ドコモが生まれ変わったとはならないでしょうが、どう展開していくのか、楽しみに見ております。