タイムマシン経営の対象が、中国に移っているという記事です。
タイムマシン経営とは
タイムマシン経営というのは、海外の先進的なサービスを真似て、日本に導入するという経営手法です。
昭和の頃から、アメリカは、日本の20年先を進んでいるといわれていましたから、アメリカで流行ったビジネスやサービスを日本に導入すれば、うまくいくという算段です。
ダイエーなどの大型量販店や、マクドナルドなどの飲食チェーンは、アメリカのビジネスを輸入したものです。
当時、日本は人口増加期でしたので、アメリカと状況が似ています。
弱者が強者の真似をするというのは、セオリーに反しているように思えますが、市場を区切れば成り立ちます。つまり、アメリカの強者企業が、日本市場に参入する前に、市場を抑えてしまえば、地域での強者となれます。
これは、さらに市場を小さく区切ることで、身近なビジネスにも応用可能です。
例えば、東京で流行っているビジネスやサービスを、地方都市でいち早く始めるとか。
メジャーで流行っていることを、マイナーな市場用にアレンジして導入するという手法は、小さな規模でなら成り立ちます。
なんだよ、小粒だなと言われるかもしれませんが、そんなこと知ったこっちゃない。隙間を見つけて賢くビジネスを作るのは、事業家として当然のことです。我々のような小さな事業者は、皆、やっていることだと思いますよ。
人口が多い中国では、模倣が進化していく
中国の事業者も、タイムマシン経営をやってきました。
中国市場は政治体制や規制の関係から、外国企業が進出しにくいものがありますから、中国の事業者としては、タイムマシン経営がやりやすい。すなわち、アメリカで成功している先進的な事業を、そのまま中国で作ればいいわけです。
アマゾン、アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッターなど、アメリカを代表するビジネスが、実におおらかに中国で模倣されてきました。
その中から、育ってきたのが、アリババであり、ファーウェイであり、ウェイボであり、バイドゥです。
何せ、中国には14億人の人口がありますから、真似であろうとなんであろうと、ビッグビジネスとなります。
しかも、ユーザー獲得競争にもまれて生き残った企業は、独自の進化を遂げているものも多い。競争が激化すると、各事業者は、独自の差別化をはじめ、生き残りを図ります。その中から、独自性、独創性にあふれた事業が生まれるのは必然です。
14億の人口恐るべしです。
チャンスを捉えて起業に活かせ
これを日本の事業家が利用しない手はありません。
14億人市場の中で無数に細分化された独自のビジネスがあるはずですから、日本の事業者とすれば宝の山です。大いに模倣すればいい。
アフターコロナには、中国の面白い事業を探す起業家が増えそうですね。
中国語ができる人は、中国のニッチビジネスを紹介するサービスを始めてはいかがでしょうか。
一定の需要があると思いますよ。