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ニトリが、2023年3月期の業績予測を発表しています。売上高9636億円、営業利益1506億円。決算期の変更があるのでわかりにくいですが、増収増益の見込みだということです。

しかし、株式市場は冷ややかです。円安による原材料高、物流費高騰、巣ごもり消費の一巡という「三重苦」に見舞われると考えられるからです。

ニトリ側は、円安を予測していたそうで、9月分まで1ドル=114円90銭で為替予約したということですからとりあえずは一息ついています。同社は、今年後半には円高基調になると予測しています。

ただ、物流費高騰や巣ごもり消費の一巡は避けられません。既に利益率が下がっています。

ニトリは2032年に売上高3兆円を目指すと言っていますが、これ以上、どのように上積みしていくというのでしょうか。

成長戦略が見えない


ニトリは、成長戦略として、商品やサービスの拡充を考えているようです。家電やアパレル、食品などに進出することが既に報道されています。

ただ、人口減少していく国内市場では、多くが飽和市場で、既存企業が激烈な競争を繰り広げています。ニトリとても、簡単にシェアを奪うことはできないでしょう。

ユニクロのように海外進出が見込めればいいのですが、ニトリの現状の商品やサービスは、海外進出できるような競争優位性を持っていません。

これまで飛ぶ鳥を落とすような勢いだったニトリも、今後の成長には、首をかしげざるをえない状況となっているわけです。

恐らく、大型買収こみで新分野への進出・拡充を考えているのでしょう。早晩、何か動きがあるはずと考えます。

業績絶好調が続くニトリだが、11年後に売上目標3兆円は、さすがに厳しいのではないか?