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これはまた露骨な嫌がらせです。

ネット動画配信大手のネットフリックスを既存の映画関係者が敵視しています。

カンヌ映画祭からは事実上の締め出しを食らいました。(映画館で上映後、3年間はネット配信してはならないとの規則を設けた)

大物映画監督のスティーブン・スピルバーグも、ネットフリックスの独自作品に対して辛辣なコメントを寄せています。

既得権益者の儚い抵抗


もっともカンヌから締め出されようとも、スピルバーグが辛口でも、ネットフリックスの勢いは止められません。

ネットフリックスの会員は、1億2千万人だと言われています。アマゾンプライム会員も1億人超えしています。

それだけの人間が動画配信に接する機会を持つわけで、映画館が衰退するのも必然です。

だから騒動は、既得権益者の儚い抵抗に過ぎません。

カンヌ映画祭がダメなら、ネット配信OKの映画祭を作っていけばいいんですよ。

ディズニーの動きには警戒


もっとも下記の動きには、ネットフリックスも安穏としていられません。

「王」刺激したネットフリックス じわり包囲網 

ちょっと大げさなタイトルですが。「王」とはメディア王ルパート・マードックのこと。彼が、自身の持つ21世紀フォックス社の映画テレビ事業をディズニー社に売却したということです。

マードック側は白旗を上げたかっこうですが、売却先がディズニーというところがミソです。世界最強級のコンテンツを持つディズニー社は、独自の動画配信ビジネスを立ち上げると考えられています。

ディズニーのコンテンツと21世紀フォックス社のコンテンツが合わさると、それなりに大きな価値を持ちます。逆に、2社のコンテンツが見られないネットフリックスは魅力が薄れます。

いわば動画配信業界内での競争であり、既存権益者の嫌がらせとは違う戦いですな。

映画産業とのケンカは正しかったのか?


ここで分かるのは、ディスニーのように、もともと価値のあるコンテンツを多く持ち、これからも制作していける会社が動画配信ビジネスを立ち上げると、非常に強いということです。

ネットフリックスのような配信会社の強みは、どのコンテンツ制作会社ともニュートラルな関係でいられるということだったはずです。ニュートラルであればしがらみなく、コンテンツの提供を受けることができます。しかし、競争戦略上、ネットフリックス独自のコンテンツ制作に乗り出したために、このような軋轢を生んでいます。

私は、個人的には、動画配信会社が競合とすべきはテレビ会社であり、映画製作・配給会社とは、共存していくべきだし、いけると思っています。

が、それは私の考えであって、ネットフリックスの経営陣は、新しい映画ビジネスの形を作ろうとしたわけです。

裾野が広がって、産業が盛り上がればいい


これから動画配信ビジネスは、ネットフリックス、アマゾン、Hulu含めて群雄割拠になっていくでしょう。

旧来のコンテンツ制作会社も、配信を否定することはできません。ディズニーほどの体力がないところは、映画会社同士で配信会社を立ち上げるかもしれません。

群雄割拠の状態はユーザーにとっては面倒くさい話なんですが、しばらくは仕方ありません。

むしろ、動画配信会社同士が競争して、独自コンテンツをお互いが制作しあって、裾野が広がる分、面白いものが生まれるかも知れないと思っておきます。