「スーパードライ」はバブルだったのか(日経新聞・有料記事)

「スーパードライ」が1億ケース割れ。だという記事です。

 アサヒビールの基幹ブランド、「スーパードライ」の2017年の国内販売が節目となる1億ケース(1ケースは大瓶20本換算)を29年ぶりに下回ったことが9日、発表された。1億ケースを突破したのがバブル経済絶頂期の1989年。スーパードライ発売から僅か3年での大台超えというハイスピードだった。ピークは2000年の1億9170万ケース。以降、減少傾向を続けてここ数年は「1億ケース割れはいつか」と関係者の間で言われていた。一昨年までは土俵際で踏ん張ってきたもののついに昨年、土俵を割ってしまった。しかも今年の販売計画でもさらに下回る数字を出している。

1億ケースというのは節目となる象徴的な数字だということですね。日本国内のビール系飲料の販売数減少は続いており、いずれは1億ケース割れが確実だったのですが、節目の数量を割りたくないという意地があったようです。

が、ここで1億ケース割れ。今後は、減少が続いていくのでしょう。

日本の産業史に残る大ヒット商品


スーバードライは、いまでも国内ビール販売量で約半分のシェアを持つ怪物商品です。

発売は1987年。その頃はビールといえばキリンの時代です。キリンラガーの特徴である苦味が、ビールのうまみそのものだと捉えられていましたが、スーパードライは苦味からすっきりした味への転換を図った商品です。その大胆な差別化が功を奏して、1997年には、国内トップブランドとなりました。そこから20年間ずっとトップブランドのままです。

スーパードライが登場したのは、バブル経済に向かう勢いのある時代、日本全体が新しいものを求めている時代でもありました。

また規制緩和の時期でもあり、量販店やコンビニで酒類を扱うようになった頃にあたっていました。

王者キリンが新しいチャネルへの対応に苦慮する中、アサヒの経営陣は、量販店やコンビニへの全面適応を即決、実施しました。

実質的には、チャネルを制し、そのための生産と配送の仕組みを整えたことが、アサヒがビール業界を制することになった決め手だと考えます。

日本の産業史に残る大逆転劇ですね。

アサヒも戦略を見直す契機に


ただ現在日本国内のビール離れ、アルコール離れの流れは止まりそうにありません。

記事にもあるように、アサヒもスーパードライを死守する戦略から、新たなビールやアルコール、あるいはアルコール以外へビジネスの柱を作り直さなければならない時期に来ています。

私としても「ランチェスター戦略入門セミナー」で話すアサヒスーパードライの事例が、賞味期限を迎えつつあるようで寂しい限りですが、時代の流れですから仕方ありません。

歴史的な事例として記憶にとどめておきたいと思います。