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本当にアメリカのボクシング関係者は驚いたのかな?

昨日のボクシング興行「スーパーフライ」で、日本が誇るモンスター井上尚弥が、米国デビューを果たしました。

井上の圧力に、挑戦者ニエベスは逃げるばかり。最後は試合放棄してしまいました。

メインイベンターのローマン・ゴンザレスが壮絶なKO負けを喫したこの日のイベントで、新スター候補としての井上尚弥の登場は好評をもって迎えられたようです。

 試合後、前出のネルソン氏は「アマ、プロを通じてKO負けが一度もない相手をKOして、井上は実力を証明した。彼のパワー、戦術は、ここ(アメリカ)で明らかに求められているものだ」と最大級の賛辞を口にした。他に話を聞けた米メディアの反応も「欠点がない」など、すべて好意的なものだった。

ただ、日本で井上の試合を見慣れている者とすれば「井上はこんなもんじゃない」という気持ちもあります。

今回、米国デビューでインパクトを残そうと思ったのか、井上は力んでいました。だから、力任せの押し込むようなパンチで、本来のキレやスピードが足りなかったような気がします。

ガードを固めて閉じこもる挑戦者を倒しきれなかったのは、井上の戦い方にも問題があったのではないでしょうか。日本での試合では、もっと巧妙に戦っていました。河野戦とか見事でしたよ。

しかし、これで井上の米国進出はつつがなく進みそうです。今度こそ、本当はこんなもんじゃない実力を示してもらいたいものです。

このままでは日本のボクシングはじり貧になる


さて、このような記事があったので紹介します。

 世界的なボクシング記録サイト「ボックスレク」によると、2017年4月20日時点で、アクティブに活動しているプロボクサーの数は世界で2万3460人。ボクシング大国のメキシコが3343人、マーケットの一番大きいアメリカが3266人、いま最もボクシング景気がいいと言われるイギリスが1000人で、日本は1436人となっている。同サイトによれば、ほかに1000人を超える国はアルゼンチンだけだ。

世界メジャー4団体、17階級の男子世界チャンピオンの数を比較してみると、アメリカが14人、イギリスが10人、メキシコと日本が各9人と続く(統一王者は1人とカウント。WBAの暫定王者、WBCの名誉王者を除く)。ボクサーの数、チャンピオンの数からいえば、日本は堂々たる“ボクシング大国”と断言できよう。

しかし、日本のボクシング人口は減り続けています。競技人口が減れば、競技そのものの人気が低迷していくので由々しき事態です。

もっとも日本は少子化なので仕方ない面もあります。ボクシングだけでなく、野球や他の競技も競技人口の減少から逃れることはできません。

だからといって手をこまねいているだけだと、じり貧になっていくのを止めることができません。

それなのに…

加盟ジムを増やし、どんどん若い人材を引き入れればいいと思うのだが、現在の協会は新規加盟ジムを増やすことには後ろ向きだ。むしろ加盟ジムの既得権を守るために、ジムの数を抑制しようという方向に舵を切っている。これでは選手の数は増えない。


優秀な選手は有名ジムが独占し、世界チャンピオンになった暁には、日本国内で安全パイのような挑戦者相手に防衛戦を重ねさせます。それなりにビジネスになるからです。

有名ジムとテレビ局が組んだビジネスモデルであり、そのため、選手は世界の強豪と戦うことなくキャリアを送っていきます。

しかし、今は、YOUTUBEもWOWOWもあるので、われわれは世界のレベルがどこにあるのかを知っています。

内山高志や山中慎介が、全盛期はともかく、後年は本当の世界トップレベルではないことをボクシングファンは気づいていました。

今はマニアックなファンだけの知見かも知れませんが、そのうち世間一般に知られることになるでしょう。

そうなった時、ボクシング人気は取り返しのつかないところまで低迷してしまうことでしょう。

この状況を突破するのは井上しかいない


その意味では、井上尚弥の登場は僥倖です。

彼は、ジムとの契約に「強い相手としか試合を組ませない」意味の条項を入れていると噂されます。それは、選手の気負いではなく、自身の商品価値を下げないための配慮です。

その通り、井上は世界的強豪のオマール・ナルバエスをKOで退け、世界中に知られた存在になりました。

井上が今の地位を手に入れたのは、ポジティブなマッチメイクのおかげでもあるわけです。


井上が、計画通り、アメリカと日本で交互に試合をするようになれば、ボクシングビジネスは次の段階に入ります。

米国でビッグマッチを行い、日本ではファンサービスとして凱旋試合を行う。

選手は億に届くファイトマネーを稼ぐことができて、ジムも日本のテレビ局も潤うビジネスモデルです。

井上尚弥ほどの実力がある者にしか許されないビジネスかも知れませんが、それでも多くの若者に夢を与え、ボクシング人口を増やすきっかけになるはずです。

人口が増えれば、第二、第三の井上尚弥が登場するかも知れません。

ボクシングファンとしては、それを期待したいと思います。