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冬季オリンピックで銀メダル。大健闘の女子カーリングですが、実は国内の競技人口3000人弱のマイナースポーツです。

そんなマイナースポーツでも脚光を浴びることががきるのだからオリンピックは奥が深い。

世界的にみると、競技人口は150万人程度だといいます。最も多いカナダで約70万人とか。この他、北欧諸国で盛んです。(ネットでググった数字なので正確ではないかも知れませんが)

ちなみに、世界の競技人口ランキングは、1位バレーボール(約5億人)、2位バスケットボール(約4.5億人)、3位卓球(約3億人)、4位クリケット(約3億人)、5位サッカー(約2.6億人)、6位テニス(約1億人)、以下、ゴルフ、野球、ラグビーと続きます。参照したページ

これに比べると、150万人という競技人口がマイナーだというのはわかっていただけると思います。

ただし、人口約3800万人のカナダで、70万人の競技人口はなかなかのものです。カナダには、カーリングができる施設が1000以上あるといい、国技といってもいいレベルのようです。

マイナースポーツなのに躍進


日本では、カーリングができる施設が少なく、関係者は苦労されているようです。なにせ、カーリングを競技するシート(ボーリングにおけるレーンのようなもの)を建設し、維持するためには、相当の費用がかかります。競技人口を考えると、ペイしないと考えられています。

日本では、北海道、東北、関東、中部、西日本と、一応全国にチームはあるものの、多くは実業団か、有志によるクラブチームです。選手は、仕事を持ちながら競技しており、充分な練習の確保は難しいはずです。

今回オリンピックに出場したロコソラーレは、クラブチームです。前回の平昌では銅メダル、今回の北京で銀メダル、2回連続メダルを獲得したのだから大したものです。(ロコソラーレクラスになるとスポンサーも多く、それなりに恵まれた環境でしょうが)

そういえば、前回平昌オリンピックでは、競技人口800人といわれる韓国チームが銀メダルでした。

パワー勝負ではなく、緻密な技術と戦術が求められる競技なので、アジア人に向いているのかもしれませんね。

コンテンツとしての可能性は大きい


日本女子チームの活躍は素晴らしいものですが、ネットの記事などをみれば「このままでは勿体ない」という論調が目立ちます。

カーリングが盛り上がるのは、4年に一度のオリンピックの時のみ、普段はマイナー競技のまま、という状況は、素人目にみてもどかしい状況です。

なにしろ今回のオリンピック決勝戦の視聴率は29%に達し、期間中の最高視聴率だったそうです。

それはそうでしょう。カーリングはその競技の性質上、テレビ向きです。時間が長いし、一投ごとに戦局が変わり、考えどころが多い。微妙な石の行方でとるべき戦術ががらりと変わりますから、会場で見るよりもテレビの方がわかりやすい。決勝戦であることも相まって、視聴者を集めたのも納得です。

コンテンツの価値は、それだけではありません。競技の時間が長いので、広告価値が高い。普段から盛り上がる大会などあれば、スポンサー料が跳ね上がるはずです。実際、海外のチームには、日本の大企業がスポンサーについているそうです。

それに、選手のアップが頻繁に映りますから、人気が集まりやすい。マイナースポーツを盛り上げるために、人気選手を作ろうとするのは、よくある手法ですが、カーリングならそれが容易です。

要するに、カーリングのコンテンツとしての可能性は、非常に大きいというわけです。このまま4年に一度の盛り上がりで終わらせるのは勿体ないと、誰もが思うことでしょう。

協会の舵取り次第


上の記事でもいっていますが、主導権を持つのは、日本カーリング協会です。日本プロ野球でいえばコミッショナー、サッカーでいえばチェアマンの手腕が試されます。実際、アメリカのメジャーリーグも、バスケットリーグも、プロ経営者がトップに就いて、飛躍しました。
実際にカーリング協会は多くの役員が無報酬で活動している。日本選手権レベルの大会でもタイマーや競技委員などは雀の涙ほどの日当を受け取るのみで、場合によっては身銭を切って大会運営に携わっているケースもある。

という記述に大いに不安を掻き立てられますが、ここは考え方を変えて、非連続的な成長を目指す時ではないかと思います。

川淵三郎氏、御年85歳にご登板いただくのは酷かもしれませんが、それぐらい力のある人物を招いて、マネジメントを託すべきではないでしょうか。

4年後も同じことを言っていることのないように、期待いたします。

川淵三郎はなぜ他のスポーツ団体関係者のようにダークサイドに堕ちないのか?