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モスがなにげに好調のようです。2019年8月から20か月連続で既存店売上高が前年比超え。コロナ禍の巣ごもり消費だけでは説明できません。

それを記事は、マーケティングを強化し、マーケットインの戦略に切り替えたからだと説明しています。

マーケティング本部を設立し、マーケティング、商品開発、商品流通を一つにまとめたようです。

さらにいうと、商品ごとにターゲット顧客を設定し、商品開発や販売戦略を練ったということですから、いまさら感ありますが、王道といえば王道です。

単純な差別化戦略から脱却できず…


日本でファストフードを展開するには、マクドナルドを意識せざるをえません。特に、モスは、マクドナルドと同じハンバーガーです。さすがにマクドを凌駕するのは至難の業です。

が、マクドがあるから、その逆をやればいいやという差別化戦略がとりやすいとも言えます。

だからモスは、マクドが価格戦略をとった時には、価格競争などには目もくれず、商品の品質向上に努めました。モスが、生き残ったのは、その割り切りが功を奏したからです。

ただ、価格競争を一段落させたマクドは、高品質商品にもミートするようになりましたから、こうなるとモスは苦しくなります。長期間、業績低迷に陥りました。

だからといって、商品開発の方向性をすぐに転換できないのが組織です。

商品開発部とすれば、品質や機能を追求して成果を残してきた成功体験があるものですから、その癖が抜けません。

経営環境にあわせて、戦略や組織を変えなければならないという当たり前のことができないのは、会社経営あるあるですな。

顧客層そのものを差別化し、独自のファン層をつくる


マクドができるミート戦略にも限界があります。弱者であるモスとすれば、細かくみていくと、できる差別化は無数にあります。

その部分を、ターゲットの状況を細かく見ていくことで、実現したのだと私は解釈しています。

そういえば、いかにも唐突に見えた食パンの販売も、ファミリー層というターゲットにリーチするための方法だったと説明されていますね。

モスの600円食パンは、なぜ金曜日限定販売なのか

これから、モスはターゲットの選定をより戦略的、構造的に行っていくはずです。

その先に、マクドとは重ならない独自のターゲット層、ファン層ができあがると思いますので、頑張っていただきたいと思います。