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ユニクロやジーユーを運営するファーストリテイリングの2017年8月期決算がでたようです。

売上高1兆8619億円。営業利益1764億円。

いずれも過去最高ということです。

最高益でも遠い世界トップとの差


ファーストリテイリングは、現在世界3位。

1位のインデックス(ZARAなど)とは、約1.5倍の差です。

ランチェスター戦略の「市場シェア理論」でいえば、射程距離圏内であり、逆転可能です。


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もっとも売上高規模以上に差があると感じるのは、営業利益率です。

インデックス、H&Mともに、グローバル展開の規模が大きく、世界中から適材適所に仕入れ製造を行う体制を持っています。

それに対してユニクロは、まだ日本が中心。あとは中国、東南アジアが伸びている程度です。グローバル化という視点では見劣りします。

2018年には、ようやく海外売上が、日本国内を抜くということですから、世界展開はまだ道半ばだといえますね。

(逆にいえば、まだそれだけ伸びしろがあるということですが)

大量製造・大量販売モデルの限界


ただ柳井会長の危機感はそこだけにあるわけではないようです。

インデックスはファストファッションを突き詰めており、5週間で企画から販売までできる体制を整えているといわれます。

巨大規模にして恐るべき効率化を追求し続けています。

これに対して、ファーストリテイリングは、大量生産モデルなので、最低数か月はかかります。

日本国内でユニクロやジーユーが苦戦した理由のひとつに、売れ残り品の処分問題があります。

品数を絞って需要予測の精度を高めてきたファーストリテイリングですが、どうしても売れ残りは発生し、その分の処分費が利益を圧迫してしまいます。

インデックスとの規模以上の利益率の差はここにあります。

超ファストファッションの台頭


しかしそのインデックスも今は、危機感を持っています。

というのも、デザインから商品化まで1週間などというとんでもない企業が登場しているからです。

デザインから販売まで1週間 —— ZARA、H&Mを脅かす新興オンラインブランド

店舗を持たないネット企業の中には、機動力をフルにいかして、小ロットかつ短納期を実現するところが現れているという記事です。

いくらZARAがファストファッションだといっても、スピードでは新興オンライン企業にはかなわないようです。

さらに恐ろしいのは、アマゾンがファッション業界でも存在感を見せ始めていることです。

アマゾンのことですから、こうした新興企業を取り込んで(買収する、あるいは販売提携する)巨大勢力になり、インデックスやH&Mに牙をむいてくるのは間違いないでしょう。

本当の敵はアマゾン


柳井会長の肝いりで進めている「有明プロジェクト」は、インデックスとの競争の先を見据えたものだといえます。

有明プロジェクトとは、情報技術をフルに活用して、顧客が必要なものだけを製造・流通できる体制を作るためのもの。大量生産モデルからの脱却を目指して、開発、物流などあらゆる機能を東京の有明に集約し、実証実験に取り組むようです。

いわばアマゾンと戦える企業になるためのプロジェクトですね。

柳井正ファストリ社長「アップル、グーグル、FB、アリババ、テンセントと組む!」

アマゾン以外の主要ネット企業を軒並み挙げているところに、柳井会長の危機感が表されているのではないでしょうか。

それにしてもこれだけの危機が矢継ぎ早に来るようでは、柳井会長は引退できませんな。

カリスマ経営者の引退リスクも高まるばかりです。