ランチェスター戦略の胆は


ライフスタイル起業とは


さて、今回も「戦略勉強会」でとりあげた話題です。

ライフスタイル起業という概念をご存知でしょうか。

下記の記事では、「趣味や経験をベースに自分のライフスタイルを楽しみながら維持するのにちょうどよい規模の起業を目指す(あるいは、意図的にその規模で成長を止める)、起業スタイル」と紹介されています。

言い換えれば、身の丈起業とでもいいますか。

私のような年齢の者に相応しい起業のことを指すようです。


そういえば、近年の創業塾などでは、起業希望者の主役はシニア世代です。

定年を迎えた後も長い人生、ゆったり無理せず楽しんで稼ぎたいという人にとっては、理想の起業スタイルといえるでしょうね。


ランチェスター「弱者の戦略」を学べ


仕事は厳しいもの、苦しむのが起業と思う人にとっては、お花畑思想に思えるかもしれません。

しかし、上場を目指すわけじゃなし、老後に必要な資金だけ稼げばいいやとハードルを低くすると、可能性は広がります。

どうすればいいのか? と聞かれれば、ランチェスター戦略を学んでくださいとアドバイスします。

なんだ宣伝か、と言われそうですが、私自身が、弱小事業者として20年生きながらえてきたのは、ランチェスター戦略の考え方を実践してきたという自負があるものですから、お許しください。

本当に、この戦略を学んでよかったとしみじみ思います。

難しい応用戦略をすべてマスターする必要はありません。入門編を読んで「弱者の戦略」を自分なりにアレンジするだけで、全然違うと言っておきます。


自分でも戦える「局面」を見つけよ


上に紹介した記事では「ニッチ戦略」のことが書かれています。

ニッチとは、隙間、くぼみのこと。市場が小さすぎて、大企業が手を出さない小さな市場のことを指します。

これは「弱者の5大戦略」の中の局地戦に通じるものです。

局地というと、いかにも地域におけるニッチを指す言葉だと思われそうですが、田岡信夫先生は、地域に止まらず、顧客層や時間帯なども含めた広い概念だと取られていました。

だから私はこれを「局面」と言い換えています。

どんな小さな事業者でも、取柄のない事業者でも、勝ち目のある局面は存在します。

顧客層=親戚だけ、知り合いだけ、前職の人たちだけ、特定の職業だけ。。

時間帯=朝だけ、夜だけ、昼下がりだけ。。

状況=緊急時だけ、疲れている時だけ、山登りしている時だけ。。

などと区切っていけば、ここなら自分でも戦えるという局面が見えてくるはずです。

ものすごく簡単に言っていますが、私は、これこそがランチェスター戦略のいちばんのキモだと考えています。


「局面」はすぐに変化する


逆に言って、自分が戦える「局面」が見つからなければ、成功への道筋が見えませんから、起業は思いとどまるべきです。

なんとなく、成功している他人様のやり方を表面だけ真似ることは、地獄への入口ですから、絶対にやめてくださいね。

僭越ながら、私も、自分だけの局面を見つけて、そこだけで勝負してきました。

最低売上のハードルが低いので、けっこう自由に行動することができます。偉そうな発注者にペコペコして仕事を恵んでもらうという意識は不要です。

場数が増えてくれば、強みが強化されるので、徐々に勝率が上がってきます。

勝率が上がれば、営業の選択肢が増えてきます。

この繰り返しが、弱小事業者の成長であると私は考えます。


なんだ、自分でもできそうじゃないかと思っていただければ幸いです。

ただ、小さな起業には努力が要らないというわけではないので注意してください。

「局面」のもう一つの特徴は、変化が速いということです。

一度、成功した、儲かったとしても、すぐに競争が激しくなり、あるいは顧客が変化して、同じことが通用しなくなります。

だから、局面の変化を読み、自分自身も変化し、挑戦し続ける努力が必要です。

それさえ気をつければ大丈夫です。