EV向け本命「全固体電池」5年で実用化へ  開発第一人者、大阪府立大・辰巳砂教授に聞く(日本経済新聞・有料記事)

メモ。全固体電池について。

電気自動車(EV)の心臓部である電池の次世代技術として期待されています。その第一人者は大阪府立大学の教授なんですね^^(わが母校)

車載電池の本命はリチウムイオン電池


現在、EVの車載電池はリチウムイオン電池が本命です。すでに量産技術が確立されており、現行のEVに搭載されています。

リチウムイオン電池は、正極と負極をリチウムイオンが往来することで電力を生み出します。その中身は、電解液で満たされています。

こちらはパナソニックが得意とし、サムスンやLGなど韓国勢が追っています。

全固体電池のメリット


これに対して全固体電池は、中身の電解質が固体です。そのため

1.液漏れがなく安全性が高い。

2.電池そのものの寿命が長い。

3.充電の速度が速い。

4.設計の自由度が高い。

などの利点があります。

夢のような新技術に思えますが、いまのところはまだ未完成で、量産技術が確立されていません。

日本勢がリードする全固体電池開発


ところが最近になってにわかに開発が活発化しています。

とくに研究を続けてきたトヨタが、最近EVの開発に乗り出す動きを見せているのは、全固体電池の量産化に目途が立ったからではないかと言われています。

この分野では、日本勢がリードしています。

トヨタ、積水化学、日立造船、旭化成、日立製作所、出光興産、村田製作所、太陽誘電などの名前があがっています。

EVの課題克服?リチウムイオン電池の後釜 「全固体電池」がもたらすインパクトを専門記者が徹底解説

もっと上の記事によると、開発のリミットは2015年までだとか。

それを超えると、リチウムイオン電池の生産効率が上がって、コスト的に太刀打ちできなくなるからだそうです。

イノベーションとは技術的に優れているだけではダメで普及させられるコストを実現することが必要ですからね。それを過ぎると全固体電池は、寒冷地や砂漠などの条件下での特殊仕様扱いになってしまうのかも知れません。

せっかく日本がイニシアティブをとれる分野ですから、何とか頑張っていただきたいと願う次第です。