「オレが何を言ったか、自分で言ってみな」-落合博満

■落合博満の言葉はいちいちが深いですね。本当に感心します。

もともと彼は、言葉数が多い方ではなかったでしょう。

選手時代は、実績で勝負すればいいというので、それほど説明の必要を感じなかった。

だから、マスコミからは「オレ流」などと言われました。

■ところが、監督になればそうはいきません。

自分の考えを選手に伝えなければならない。

自分がもともと口数が少なかったのに、選手に自分の言葉を理解させようとするのは、苦労があったと思いますね。

■でもだからこそ、伝える方法を人より深く考えたのでしょう。

「いま、オレが何を言ったか、自分で言ってみな」なんて、喧嘩でもしない限り、言えないですよ。

それを日常的に言っていたのだとすると、やはりすごい指導者です。

■野村克也もすごいと思います。

いちいち「今の一球の根拠を説明してみろ」と迫るわけですからね。

この二人の指導法に共通するのは、自分自身が筋の通った根拠を持っていなければならないということです。

何となく、ベクトルを合わせて、勢いで乗り切るという(ある意味ずるい)方法ではありません。

指導者としてはしんどいやり方です。でも、それをやりきったのだから、すごいわけです。

■落合自身は、「野球界と会社は違う」と言っていますが、共通するものがあります。

リーダーはこうありたいと思いますね。