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中華そば幸楽苑の不振の原因について書いた佐藤昌司氏の記事です。いつもながら参考になります。

ちなみに、幸楽苑については、BBT757の大前研一ライブでもとりあげられておりました。私はそちらを観ておりましたので、より興味深かったです。

ラーメンチェーン国内トップが、なぜステーキ店に業態転換するのか


幸楽苑というと、関西ではあまり馴染みがありませんが、ラーメンチェーンとして国内トップの売上高と店舗数を誇ります。

380円ラーメンが目玉だった時期があり、関東東北を中心に、売上店舗数を伸ばしました。

ところが、現在、不振に陥っており、店舗の閉鎖、および「いきなりステーキ」への一部業態転換が話題になっています。

ラーメン店がステーキ屋?というと違和感があるかも知れませんが、どちらも一人客を狙う回転数重視のビジネスですから、親和性があります。

理にかなった施策です。

業界トップの幸楽苑が不振に陥った理由


記事では、好調の日高屋との比較がなされています。

日高屋も関西では馴染みが薄いですね。こちらは「駅前の屋台の再現」をコンセプトに、駅前狭小立地に、ちょいのみできる中華そば屋さんを展開しています。

屋台のような感覚で駅前マーケットを開拓 ハイデイ日高

駅前なので人通りがあり、回転数が見込めます。幸楽苑と同じようなビジネスだと思えますが、こちらは駅前立地なのでアルコール販売が可能です。

これに対して、ロードサイドに多く展開している幸楽苑は、アルコール需要が見込めません。

日高屋の社長は「アルコール販売できること」が好調の理由だと述べており、回転数に加えて、顧客単価の向上がなされています。

ロードサイド店が時代から取り残された


ロードサイド店は、車社会全盛の時代に機能した店舗形態です。ファミリーで出かける人たちの需要を取り込んで成長することができました。

しかし、いまやその店舗立地が足かせになっています。

本来、一人で食べることが多いラーメン店なのに、ファミリー席を中心にしたロードサイド店は、非効率です。

そのちぐはぐさというか、時代からずれたことが、日高屋との差になっています。

経費をみても、人件費と地代家賃、諸経費などが、日高屋に比べて割高となっており、社内の業務体制が非効率であることが見受けられます。

低価格ラーメン店と低価格うどん店の違い


もうひとつ、低価格のラーメンを目玉にしていたので、顧客単価が上がらないという弱点があります。単価の高いステーキに業態転換するのは、そういう意味でも理にかなっています。

大前研一ライブでは、丸亀製麺との比較もなされており、トッピング(天ぷらなど)で単価向上を図る丸亀製麺に対して、上乗せのしにくいラーメンの弱点が指摘されていました。


こうしたことから幸楽苑が今後業績を浮上させるには、

(1)店内オペレーションの効率化

(2)ロードサイド店からの撤退、回転数重視への回帰

(3)トッピングやサイドメニューの開発

などが必要だと考えます。