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アパホテルの元谷代表が、ランチェスター戦略について言及されています。

アパホテルは、ランチェスター戦略を大いに役立てて、成果を上げてきたということです。

「西側拠点説」


記事に書かれているのは、ホテルの立地に関する地域戦略です。

一つは「西側拠点説」

ある地域を攻略するためにまず西側を押さえる、という考え方です。

田岡信夫氏は、この説を「ジンクス」とも称しており、明確な科学的根拠があるわけではないようですが、日本の天候は西から変わることが多いので、開拓するにおいても西側から見ていくのがいい、と一応説明されています。

アパホテルは、この説に従って、立地戦略を組み立てていたとのことです。

「3点攻略法」


もう一つは「3点攻略法」

やはりある地域を攻略したい場合、いきなりその地域に攻めかかるのではなく、A地点、B地点、C地点と、その地域を取り囲む拠点を攻略した後に、真ん中を攻めるという方法です。

こちらは、多くの企業が立地戦略をたてる上で参考にしています。セブンイレブンなどのコンビニや飲食チェーンなどが知られていますが、アパホテルもその一つだったようです。

3点攻略法は、ランチェスター「地域戦略編」のハイライトでもあり、実践的な方法論です。

ここでは省きますが、最初にどの拠点を狙うのか?2番目は?3番目は?真ん中はどのように攻めるのか?と細かく規定されています。


そのほか、一点集中主義や市場シェア目標値などにも言及されており、アパホテルが、この戦略をかなり活用していることがわかります。

さすがリアルの塊のような企業です。使う戦略もリアルです。

日本流マーケティングの正体


私は、ランチェスター戦略の専門家ですし、普段から活用することが多いので、実感していますが、ほんとうに実践的な戦略理論だと思います。

特に、市場シェアを段階的に着実に積み上げていく方法論は、ほかの戦略理論にない緻密さと迫力を持っています。

マーケティング学者のフィリップ・コトラーは、販売領域を絞り込み、どう攻めるかを慎重に判断する販売方法を日本流マーケティングと呼びましたが、その内容はランチェスター戦略を想定していると考えます。

(アンドリュー・キャンベルは、ランチェスター戦略のことを「レーザービーム式マーケティング戦略」と呼んでいます)

販売力の強化を目指す企業は、ランチェスター戦略に取り組むべきです。