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ヤマダ電機が大量出店を計画しているようです。

家電量販店は、コロナ禍で巣ごもり需要を取り込み、各社とも業績好調です。

とくに郊外店舗が多いチェーンは好調で、ヤマダ電機もその恩恵を受けているようです。

家電量販チェーンといえば、ここしばらく明るい話題がありませんでしたから、久しぶりにいい話です。

満を持して攻めに転換


家電消費需要の低迷で、苦しんできたヤマダ電機ですが、この1、2年は、なにげに好調でした。

2020年3月期の決算をみると、売上高は、5年前の水準に戻してきており、それに伴い営業キャッシュフローが大幅に伸長しています。

その中でも、投資を抑え、財務体質を改善してきました。つまり不採算店舗を整理し、収益性を高めてきたわけです。

ちなみに固定負債に関しては、5年前の6割近くまで減っています。

守りを固めて態勢を整え、満を持して攻めに転ずるということでしょう。

住宅産業シフトはいいが、大塚家具は必要だったか?


ただ人口減少している流れは変わらないわけで、店舗を増やしたところで、元の木阿弥に戻らないかと心配してしまいます。

私は、ヤマダ電機は、底を打った家電産業に軸足を置き、業界の中心企業として家電産業の再興に取り組むべきだと考えています。

ヤマダ電機は、大塚家具の救済よりも、家電産業の復活に取り組め

が、ヤマダ電機はどうやら、住宅産業寄りにシフトし、「家電販売にとどまらず、家具販売・住宅販売・リフォーム、果てはそれらに伴う保険・金融業も視野に入れている」方針のようです。

確かに、住宅製造、販売、リフォーム、中古住宅流通、金融、リースバックなどをオールインワンで手掛ける大きな企業は見当たりません。

ただ空き家の多い地方に拠点を作り、地域の住宅需要を一手に引き受けるといっても、人の流れを変えるほどの壮大な戦略方向性が必要になるだろうと懸念してしまいます。

ましてや大塚家具は不必要なピースではないか。

新品の家具を販売するぐらいなら、地方の旧家から買い取った中古家具の流通を手掛ける方が面白みがあるだろうと思っています。


それはともかく、コロナ禍の中でも立ち止まらず、攻めの決断を下したヤマダ電機の経営判断は、評価すべきでしょう。

数年後にしか答えは出ませんが、注目してみておきましょう。