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日本マクドナルドが、このコロナ禍にも関わらず最高益を出したというニュースです。素晴らしい。

2020年12月期の全店売上高は、5892億円(7.3%up)

連結営業利益は、312億円(11.7%up・最高益)

店舗数2924店は、ハンバーガーチェーン1位。2位のモスバーガーが1264店ですからその差、2.3倍。ダントツです。

(ちなみに牛丼トップのすき家が1945店です)

国民食「マクドナルド」に需要が集中


コロナ禍で客数は減っているものの客単価が通年で16.7%伸びたとのこと。

ファミリーレストランや居酒屋が大打撃を受けたのに対し、ハンバーガーは食べたいという意志が明確な「目的来店」客をつかまえている。今後も有利な立ち位置にあると外食業界では受け止められている。

つまり、ハンバーガーは、明確にそれを食べたいという顧客が多いということです。まさに国民食の地位を得ているわけで、その功績が、日本マクドナルドにあることは間違いありません。

私の親世代は「あんなもの美味しくもなんともない」と言っている人が多かったですが、子供世代になると、とりあえずマクドを与えておくと、満足しておりました。

子供をターゲットにし、子供の頃に味を覚えさせようというマクドの戦略が、見事に機能しています。初代社長藤田田氏の狙い通りになっていることに今さらながら感心します。

ユダヤの商法(新装版) (ワニの本)
藤田田
ベストセラーズ
2019-04-12



需要が低迷する時期には、トップシェアの企業が独り勝ちしやすいというのは、市場シェア理論のセオリーです。全くもってその通りとなりました。

密を回避する対策スピードが驚異的


もちろん、現経営陣の努力も立派です。

もともと郊外店が多く、ドライブスルーに力を入れてきたので、密を回避する方策に適していました。

ドライブスルー、自社デリバリー、他社デリバリー、あるいはスマホで注文して駐車場での受け取る方法などに対応しました。思いついたらすぐやるスピードが驚異的です。

他のお店に行きにくい分、マクドに集中する形になったわけですね。

本当の氷河期は、これから訪れる


ただし、コロナに関わらず、人口減少下にある日本の市場が長期的に低迷していく流れは変わりません。

日本マクドナルドも、売上高そのものは、2008年頃をピークに、右肩下がりです。2015年の最悪期は脱したものの、大きな流れでいえば、V字回復したとまでは言えません。

今後の打ち手といえば、店舗を改装して収益力を高めようとするぐらいです。抜本的に売上を向上させる決め手はないと思われます。

だから米国のマクドナルド本部は、冷めた目で見ており、株式の保有比率を下げる方針に変わりはないとしています。

これは外食産業全体に言えることですね。

コロナが収束すると、一時的には、売上が急上昇するでしょうが、通常モードに戻ると、徐々に低迷していく流れになります。

いわば、本当の氷河期がくるわけで、その時のために、燃費のいい体質になっておかなければなりません。各社とも悪い今の時期に、充分に準備しておくことが、生き残るための重要な要素となります。