■アフリカで日本の中古車をネットで輸出販売し、日本を代表するアフリカ通になった企業のお話しです。
アフリカのアマゾンを目指すというのですから勢いがあります。
■最初の注文は2006年。ジンバブエから。それを皮切りに、アフリカからの注文を得るようになったといいます。
どちらかというと偶然からアフリカ開拓が始まったようです。
しかし、アフリカは法律も整備されていないようで一筋縄ではいかない市場です。
そもそもアフリカに車を運ぶだけでも大変です。輸送会社の信頼を得ることから始めなければならない。
輸出した車が港からユーザーに届くまでに目立ったパーツを抜き取られていたなんてことがよくあるらしい。
取り締まる側も、賄賂を要求してきますしね。
そんな中、粘り強く対応してきたことが、今日の地位を築くことになったといいます。
我々の会社には、粘り強さは元々あると思うんですよね。日本企業がアフリカビジネスを軌道に乗せるまでになかなか至らないのは、トラブルが起きると、案外簡単に撤退してしまうからではないでしょうか。我々はトラブルが起こったり失敗したり、計画通りにいかなかったりするのは当たり前という前提で、あまり多くを期待していません。そして、どんなトラブルにも粘り強く対応し、一つひとつ改善を積み重ねてきました。その結果、アフリカにおける中古車の物流網や圧倒的な信頼感というブランドを築くことができました。これが大きかったと思います。
■それに、同社のブランディングに関する取り組みも立派です。
信頼関係を築くために一つ一つの取引に真面目に取り組みながら、同社ロゴの入ったステッカーやTシャツを顧客に配布していったといいます。
おそらく安くて信頼できる同社の取引は、アフリカの顧客にとって「クール」だと捉えられたのでしょう。
いいイメージで認知度が上がっていったようです。
■多くの日本企業にとってアフリカ市場はいまだに「暗黒大陸」のイメージなのではないでしょうか。
しかしアフリカは12億人が住み、これから倍増していく市場です。
ちょっと商売っ気のある日本人なら、アフリカに一度行くと儲けるための方法がたくさん転がっていることに気づくと思います。日本には当たり前にあって、あちらにはないもの、持っていけば便利になるようなものが、まだたくさんあるからです。
そういえば、沖縄の若者がアフリカで300億円のビジネスをしているという話題もありましたっけ。
暗黒大陸ならぬ情熱大陸ですね。
■同社は中古車のネット販売を通じて、ブランド力、アフリカからのトラフィック、および輸送ルートを築きあげました。
多くの日本企業に比べて一歩先んじているわけで、これをてこにビジネスを広げていこうとしています。それが「アフリカのアマゾン」というフレーズになっています。
素晴らしいことだと思いますが、まだまだチャンスはありそうです。日本企業は、中国企業などに比べてアフリカ進出が遅れているといいますが、こういう事例をみると、日本企業の持つ信頼性はまだ武器になるのではないかと感じます。
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