zoom、ネットフリックス、ショピファイ、ペロトンなどコロナ禍で大きく業績を伸ばした企業が成長を鈍化させて、株価がコロナ前の水準にまで戻っているというニュースです。
まさにコロナバブルだったのですな。
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ペロトンについて→「最強のビジネスモデル」はいまも現役バリバリです
コロナ禍で6倍超の成長
ビデオ会議システムのzoomは、いうまでもなくコロナ禍のリモートワークの必要性を追い風に業績を伸ばしました。
zoomの2022年1月期の売上高は、40億9900万ドル(1ドル125円として5123億7500万円)。最終利益は13億7500万ドル(同1718億7500万円)。利益率も高いですね。
これは私の個人的な感想ですが、2年前頃、ビデオ会議システムの中でzoomの通信品質は突出していたと感じます。
グーグルもマイクロソフトも同様のサービスを提供していますが、当時は仕事でつかえるようなレベルではありませんでした。
有名企業を差し置いて名前が挙がるのには理由があると感じたものです。
ちなみに、3年前、2019年1月期の売上高は、6億2200万ドルですから、実に6.6倍ですよ。バブルの桁が大きすぎます。
コロナ収束が見えてきた今期は成長鈍化が著しいとはいえ、これだけ成長した中、株価が元通りというのは厳しい評価です。
成長戦略が見えない
今回の株価急落が、期待が大きすぎたゆえの調整という側面はあるでしょう。が、それ以上に、バブル期に得た利益や資金を有効に使えていないという評価もあるのだと思います。
コロナが収束すれば、事業環境が変化するのは当然で、zoom側も準備していたはずです。
ところが記事によると「解約率の低い企業顧客との結びつきを強くする」というしょぼい施策しか見えてきません。
当面の出血を避けるには当たり前の施策であることは承知していますが、これは成長戦略ではありません。
いまzoomに必要なのは、これだけ拡大した規模を基にしたさらなる飛躍を確実にするための戦略です。
そのためには、zoomの今のポジションでしか生み出せない価値があるはずで、それを明確にすることが必須です。
わくわくするようなビジョンを示してほしい
私もzoomの有料会員ですが、今のzoomには使い勝手の慣れや通信品質以外のメリットを感じません。
グーグルやマイクロソフトの品質が上がってくれば乗り換えることもありえます。
というか大企業を重視するというのですから、私のような泡沫ユーザーは乗り換えざるを得なくなるのでしょうね。
それはともかく、zoomがこれからも生き残るためには、ビデオ会議システムを進化させることで、どのような未来を切り開こうとしているのかを示さなければなりません。
わくわくするようなビジョンを早晩示せるかどうかが、今のzoomに必要なことだと思う次第です。