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いまや中小製造業の希望の星となった愛知ドビーです。

オリジナル製品「バーミキュラ」がヒットしており、海外進出を図っているそうです。

バーミキュラとは


バーミキュラは、ホーロー鍋で無水調理を実現したものです。米を美味しく炊けるというのが特徴ですが、その他にも様々な調理に応用できます。

火加減を自動化したヒーター付きの商品もあります。

ヒーター付きが約8万円。ヒーター無しが約3万円と高級ですが、飛ぶように売れているのだとか。


愛知ドビーは、10年ほど前まではごく普通の下請け工場だったようです。が、競争激化、単価下落の波で苦しくなり、自身で最終製品を作ることにしました。

本来持っている技術を活かして、ホーローの無水調理鍋を開発したのが、2010年頃。

そこから快進撃が始まりました。

なぜバーミキュラは短期間でこれほど売れたのか。

機能特化型家電製品の流れに乗った


一つは、特化型家電製品のブームに乗ったということ。

ここ10年ほど、総合家電メーカーが力をなくし、家電量販店も厳しい状況です。

かわりに、機能を特化し、デザイン面で特徴を持つ高級家電製品が、市場に登場しています。

海外製の製品も多く見られますが、最近では日本の中小メーカーが、ニッチ機能家電をもって台頭してきています。

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バーミキュラもその流れに乗っており、消費者の注目を集めたわけです。

弱者の戦略「接近戦」の徹底


ただしものがよくてブームに乗ったというだけではありません。

販売力のない愛知ドビーは、安易に流通に乗せる販売方法をとらず、自社で販売することを中心としています。

自社のネットサイトが販売の中心です。

その分、顧客対応を充実させました。発売当初から、顧客対応係を10人もつくり、徹底して応対したようです。

小売店がないので購入顧客の問い合わせや質問や不満に直接答えなければならないという事情があったのですが、それ以上に、ユーザーのニーズを聞くことができるというメリットがありました。

直接販売、直接対応は、ランチェスター戦略にいう「接近戦」の実施であり、中小メーカーの基本です。

これを愚直に実行したということが、大きな成功要因だったと考えます。

市場がないところに市場を創った


さらにいうとマーケティングがうまい。

マーケティングとは、市場がないところに市場を創る行為です。

8万円のホーロー鍋なんて市場はないのだから、それでも購入したいという顧客を作っていく必要があります。

愛知ドビーは、顧客の声をもとに、レシピ開発、その発表、料理教室の開催など、地道な活動を続けており、口コミで広げる方策をとりました。

同時に、開発時に1万個の試作品を作って苦労したというストーリーをマスコミに流し、「下町ロケット」的なイメージを拡散しました。

地上戦と空中戦をうまく使っているなーと思います。


現在、バーミキュラは、百貨店や一部の家電量販店などでも購入できます。

主婦の注目度も高く、イメージがいいようですね。

海外進出の成功を祈念いたします。

サーモスの「シャトルシェフ」も、もっと売れていいはず


調理器具というと、私が以前いたサーモスにも、魔法瓶の機能を使った鍋。というものがあります。

シャトルシェフ

こちらもいい商品です。沸騰するぐらいの温度を持つと魔法瓶に入れてしまうので、無駄な煮崩れがなく、栄養素が破壊されません。

黒豆とか茶わん蒸しとか、難しい料理も完璧にできます。

いい商品ですが、機能が伝わりにくいので、発売当初は、店頭での実演販売をコツコツ実施し、地道に広げていきました。

その甲斐あって、それなりにロングセラー商品に育ったようです。

ただバーミキュラの事例をみると、まだまだ売れるんじゃないかと思いますね。勝るとも劣らない商品だと思いますし。

専門のマーケティングチームを作って、機能強化と販売方法の見直しをするべきだと個人的には思いますね。

こちらも頑張ってください。