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長い記事ですが興味深い。著者は中国在住で、中国でのビジネス経験も豊富な方のようです。

中国で日本の携帯端末が売れなかった理由


日本の携帯端末が中国市場で売れなかったのは、中国の顧客を無視した製品投入をしていて無策だったから、ということです。

当時、まだ日本の携帯端末メーカーに勢いがあった頃、日本製品は高性能高機能を誇っていました。それをそのまま中国市場に持ってきても、中国のユーザーが使いこなせるわけではありませんでした。

単純な話、中国語が使えない携帯端末が中国で売れるのか?って話です。

そんな当たり前のことを日本のメーカーはクリアしなかったらしい。そもそも中国で売る気はなかったのでしょうね。

ただこういう話は他でも聞きます。日本の家電メーカーがアジアで販売するのに、日本仕様のものをそのまま持って行っているだけだからさっぱり売れないという事例です。

日本の電機メーカーができない理由

いったいどうなってしまったのか?

ユーザーへの接近を忘れたメーカー


日本では携帯キャリアの力が強い。特にNTTドコモの力は絶大で、端末メーカーはドコモのいう仕様の通り製造していれば、割り当て販売してくれるという構図がありました。

いわば商売の基本であるユーザーに接近することを忘れて、キャリア対応ばかりしていたわけですから、それは事業体として弱くなっていきます。

中国市場を攻略できなかったのは、市場を理解する能力に欠けていたからだと記事にはありますが、その通りだと思います。


現在、中国のスマホのシェアは、中国系4メーカーとアップルで分け合っている状態です。

結果だけみると、日本メーカーが頑張っても席はなかったんじゃないか、と言われるかも知れませんが、逆に中国市場でそれなりの地位を持っていたら、日本でも売れなくなって軒並み撤退という事態は避けられたかも知れません。

せめて1社ぐらいは、本気で中国市場をとりにいく挑戦心を持てなかったのだろうか?

中国が外資規制でややこしいというなら、インドでもインドネシアでもいいから、シェアをとろうという選択肢はなかったのだろうかと思います。

自動車メーカーがいまだアグレッシブさを失っていないので、家電メーカーの状況が残念でなりませんよ。

ソフトバンクでさえ長老化?


記事では、中国携帯端末大手のOPPOが、日本市場進出を目指すがその閉鎖性に苦戦している様子が書かれています。

記事には、自由市場である中国と、既得権益者が支配する日本というように、少々面白おかしく対比して描かれています。

実際には中国には政府という壁が存在しますので、必ずしもこの図式通りではないでしょうが、中国の活力という意味では、一面の真実があると感じます。

なにしろソフトバンクでさえ儲かるようになれば既得権益者の一つとして、業界を守る側に回っていますからね。

ビジネス市場としての活力もなくなっていくというものです。