企業が生き残る必勝不敗の「弱くても勝てる方法」

■ダイヤモンドオンラインの記事です。エステーの鈴木会長です。相変わらず面白い。

日本の成熟した日用雑貨業界において、独特の存在感をもったメーカーがエステーです。

P&Gが売上高約9兆円、花王が約1兆4000億円。これに対してわがエステーは約500億円。花王の子会社よりも小さいぐらいの中堅企業だ。

しかし成熟市場だけに新規参入企業が少ない。技術革新もあまりないので美味しいんだそうです。

■もっとも大手企業と同じ商品をやるわけにはいきません。そこで、ニッチ市場狙いとなります。

ニッチとは窪みみたいないものだ。そこへ行って知らないうちに穴を開けて、少しずつ大きくしていく。市場が拡大するには、競合相手が入ってきた方がよい時期がある。そうするとまず弱い競合が入ってくる。そうしたら叩きつぶして、撤退させて競合が広げたマーケットを食べて大きくなる。

大事なのは、強い競合が入ってくる前に寸止めで拡大を止めることだ。マーケットのサイズが100億円を超えると、大手も注目するし、参入を検討するようになる。だから目立たないように100億ぐらいで止める。「ここら辺で止めるぞ。もっと頑張るなんて言うなよな。頑張らないのが生き残りの知恵だぞ。頑張るのが一番まずいぞ」と社員を説き伏せるのだ。

だから私のニッチ戦略は、大きな企業をなるたけ刺激しないで、小さな企業を刺激する「弱きを挫き、強きを助ける」だ。


だからエステーは消臭剤や防虫剤の分野で目立たないように、でも大きなシェアを持っているというわけです。

■これは、まさにランチェスター戦略の弱者の戦略であり、孫子の兵法に通じるものです。

大手企業が、大きな市場から収益を上げるために、消費者ニーズを調査し、商品の改良をするとすれば、小さな会社はむしろスピードを優先させるために、カンを重視する、と言っていますね。

いや、ここはデータの使い方を工夫すれば、もっと効率がよくなるのでしょうが、今のところ、経営者のカンを重視した経営のようです。

そこが鈴木社長の非凡なところでしょうし、後継に不安が残る要因でもありますね。

この連載シリーズ楽しみにしております。

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