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コンビニを持たないイオングループが、ミニスーパー「まいばすけっと」を1000店に拡大したというニュースです。

都心の買い物すき間需要を捉えて急拡大


イオングループの総売上は8兆6039億円。このうち、スーパー部門は3兆2488億円。マルエツ、カスミ、マックスバリュが主な店舗です。

まいばすけっとは、首都圏を中心に展開するミニスーパーです。コンビニより少し大きな店舗に、生鮮品や冷凍食品、総菜、弁当など、スーパー未満、コンビニ以上といった品揃えです。

量販店や大型スーパーは、車社会、成長社会に適した業態でしたが、社会の前提が変化しており、大量まとめ買いを頼みにしたビジネスは徐々に成立しにくくなっています。

ですから量販店、大型スーパーは、買い物をレジャー化、エンタメ化する方向にもっていくなど苦心していますが、うまくいっているのは、ドンキかコストコぐらいです。

それに対して、日用のちょい買い需要を捉えて躍進したのがコンビニでした。ここ二十年ほどは、スーパーの苦境とコンビニの拡大をずっと見てきたわけです。

が、コンビニは、あくまでちょい買いです。がっつり買う、ことに生鮮品を買うにはスーパーに行かなければなりません。

それなのに、都心では、車も自転車も持たない層が多く、スーパーまで行くのに難儀します。なんでもあるようで、スーパーがないのが都心なんですね。

その需要を捉えようというのがまいばすけっとです。

イオンはコンビニを持たないので、食い合いを心配する必要はありません。フランチャイズでもないので、展開のスピードが速いです。

都心にはこれからも人口集中すると考えられるので、需要はまだ拡大しそうです。個人的には、心斎橋にも作ってほしいと思いますがね。

さらに小さな商圏を見出すコンビニ

コンビニ側も、品揃えに生鮮品を増やしたり、宅配を強化したりと対策していますが、限界があります。

それよりも、コンビニが取り組むのが、さらに小さな需要をとらえることです。

ポプラ、1坪から出店可能 超小型の無人コンビニ120店

こちらは、会社内などに設置する無人店舗です。品揃えは、自動販売機の延長といった感がありますが、外出しなくてもちょい買いぐらいはできます。会社によっては、コンビニまで遠い場所があるので、重宝するでしょう。談話室にこれが設置されていれば、ちょっとした憩いの場になっていいですね。

商圏を小さく区切ることで成長してきたコンビニですから、さらに小さくするのは、成長の方向としては理に適っています。

自動販売機側がどう対応するのか見てみたいものです。

いずれにしろ、人口流入が考えられる都心では、新たな需要がこれからも生まれてきます。

新たなビジネスの登場を楽しみにしております。