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自然界が、必ずしも強者一人勝ちにならない理由について書いた記事です。

無駄や独自性を持つことが、一人勝ちを妨げる?


生物の生き残り戦略は、長い時間をかけて積み上げられたものなので、結果として合理的です。ビジネスの戦略を考える上でも、ものすごく参考になります。

自然界のランチェスター戦略

ところが、合理的に見える自然界の動植物の競争でも、強者と弱者の共存が見られます。合理的なのに、なぜ強者はとりこぼすのか?

記事によると、ある種の集団が小さい時は、集団が生き残るために合理的な行動をとるが、大きくなると、個が勝手な進化を始めるといいます。
集団の数が少ないうちは自分優先の行動への進化は控え、集団が大きくなると仲間を出し抜こうと自分勝手に進化を始めた。

この自分勝手な進化は、集団の生き残り戦略と矛盾することもあるので、結果として、強者が一人勝ちするのを妨げる役割を果たすのではないか?ということです。

記事では、企業戦略においても、個々の企業の習慣の積み重ねが、独自性となり、お互いの会社が真っ向勝負しないようになっているという研究データを紹介しています。

なかなか面白い指摘だと思います。

「弱者の戦略」と「強者の戦略」の両方を知らなければ生き残れない


別の観点から見てみると、組織には、目の前の敵に打ち勝ち生き残ろうとする「弱者の戦略」のフェーズと、敵に足をすくわれず地位を維持するために全方位に気を遣う「強者の戦略」のフェーズがあります。

目の前の敵に勝ち生き残るためには、戦略を決めてその実行に一丸とならなければなりません。が、あまりにも一方向ばかり向いていると、側面からの攻撃や想定外の環境変化に脆くなるので、多様性を持っておかなければなりません。

だから、組織がまだ小さい弱者のうちは、一つの方向性に対してまとまりを持つことが重要ですが、組織がある程度大きくなると、むしろ異分子を取り込み多様性を持った組織であることが長生きの秘訣となります。

つまり、弱者の戦略をとらなければ生き残れませんが、それ一辺倒だと、長生きできない。かといって最初から全方向性を見ていると、そもそも生き残れません。

弱者の戦略と強者の戦略は、自身のフェーズやポジションによって、切り替えていかなければならないということです。

そう考えると、やはり自然界の行動や進化は、生き残るために合理的にできているのだと感心します。

自然から学ぶことは、まだまだありそうですね。