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メモ。遠州鉄道と静岡鉄道。どちらも中部地方を拠点とする私鉄です。すみません、私は知りませんでした。

その2社が、業績好調で両社とも過去最高益の決算だったとか。

しかもこの2社、表題にあるように、鉄道以外の部分で99%稼いでいるそうです。


鉄道会社は多角化が定石


遠州鉄道のグループ売上高は2138億円。静岡鉄道のグループ売上高は1762億円。

しかし鉄道事業の売上は、遠州鉄道が17億円。静岡鉄道が15億円。吹けば飛ぶような規模しかありません。

もっとも日本の多くの鉄道会社が鉄道一本で経営しているわけではなく、多角化しています。多いのは、沿線開発と絡めた不動産関連事業、小売店事業、レジャー関連事業などです。

つまり「鉄道に乗る理由を作る」ことで鉄道の需要を高めようとしてきた結果、鉄道以外のビジネスが大きくなったという事例が日本中にあります。

関西でいうと近鉄などは、鉄道以外のビジネスが多い会社ですね。

代替ビジネスを自ら手掛けるしたたかさ


ただ、遠州鉄道、静岡鉄道は少し毛色が変わっていて、稼ぎの中心は、自動車の販売です。

両社とも地元でトヨタの販売会社を運営しており、その儲けが大きくなっています。

要するに、鉄道の最大の代替品であった自動車のビジネスに乗っかって、会社を維持してきたわけです。

地元客に移動手段を提供するという理念を突き詰めてきた結果でしょう。こういう会社好きですね。生き残るための、なりふり構わぬしたたかさを感じます。これぞローカル企業ですな。

次世代移動ビジネスの最前線に?


ただ鉄道についても、手を抜かず、規模の小さなローカル路線なりに立派に経営しておられます。

記事では、鉄道も自動車も手掛けてきた経営体制が、MaaSの時代に資するのではないかと言及されています。

ちなみにMaaSとは、Mobility as a Serviceの略で、直訳すれば「サービスとしての移動手段」となりますか。電車、タクシー、バス、カーシェアをひっくるめて、移動する最適方法が一括で提供されることにより、ユーザーの利便性や、交通渋滞などの問題を解決しようという考え方です。

次世代の交通 MaaS

このMaaSは、IT技術やAIの活用を前提にしています。これから出てくる自動運転車や、有人ドローンなども範疇になってくるでしょう。

実証実験は、都市部で行うよりも、地方都市の方がやりやすいでしょうから、遠州鉄道や静岡鉄道が、MaaSの最先端企業になるという考え方もあり得ることだと思います。

まさに一周回って最前列に出た、みたいな話ですよ。

面白い観点だったので、覚えておきたいと思います。