00

「70年ぶりの大改革」と安倍首相のいう「働き方改革法」が昨日成立しました。

残業時間の上限規制、有給休暇取得の義務化、勤務間インターバル制度など、長時間労働を頼みとしていた日本企業の方向性を変えさせる大きな改正だと思います。


01
(時事ドットコムニュースより)

社会構造の変化を背景にしており、後戻りできない


この法案改正は、大きな社会構造変化の流れを背景にしているので、後戻りはできないものです。

すなわち、日本の少子高齢化の進展による、労働人口不足と企業業績の低迷が背景です。

企業が業績の低迷を現体制のまま挽回しようとすれば、既存社員をさらなる長時間労働に駆り立てざるを得ず、非人間的な会社生活をますます助長してしまいます。

これはまずい、ということで、政府と厚生労働省は、女性の社会参加、子供を産んでも復帰できる会社制度、高齢者の社会参加、転職市場の活性化、短期時間労働者など多様な働き方の促進などを目指して、法改正に臨んでいます。

残業時間を減らすというのは、これから続く働き方改革の第一歩だと捉えられます。

今のままでは残業規制にも対応できないのでは…


たとえば、残業時間の例でいうと、目安は月45時間ですが、上限は100時間と規定されます。

ただし年間720時間上限ですので、月平均にならすと60時間です。

60時間というと、月20日で割ると、3時間です。休日出勤があると、さらに減らさなければなりません。

それは無理だろーと悲鳴を上げている会社は多いのではないでしょうか。

中小企業は、2020年4月からの施行ですが、最初は厳しく取り締まられることが予測されますので、そんなの無理だと開き直らないようにしてくださいね。

ITやAIの導入だけで生産性向上はできない


今回の法案は、社会が変革に追い付いていないことをわかった上で強行するという、確信犯?的なところがありますので、軋轢が起こるのは織り込み済だと思われます。

当然ながら残業を減らしたからといって、業績が上向くわけでも、従業員の満足度がすぐに上がるわけでもないでしょう。

業績については、むしろ下がるはずです。人手が足りなくなるわけですから。

大手企業の中には、業務プロセスの中に、ITやAIを導入するなどして効率性を上げると主張しているところもありますが、それだけではカバーできません。

ただしい「戦略」を導入することが必要


そもそも日本は欧米に比べて生産性が低いといわれていますが、それは国家の戦略に差があるからです。

生産性が高い国をみてみると、金融に強いルクセンブルグ、スイス、あるいは小国ゆえに特定分野へ特化した北欧の国々が並んでいます。

米国なども、GDPを飛躍させたのは、金融とIT、ヘルスケアという強い分野に投資を集中させ、製造業をある程度見限ったからです。

日本はそこまで成長分野に集中するということができていません。

ということは、各企業がそれぞれ、成長分野を見出し集中する、あるいは成熟した産業内でも差別化して強い会社になることが必要になります。

ここは今一度、真剣に「弱者の戦略」を導入し、生産性を上げるための方向性を見出してください。

その確かな戦略のうえに、業務プロセスを組み立て、効率化を図ることが、それぞれの企業に求められていることです。


ある意味、各社が迷っている今がチャンスだといえます。

独自の「働き方改革」を成し遂げて、プロモーションすることで、人材確保の面でも、ブランド構築の面でも、優位性を発揮できるはずです。