「空飛ぶ車」「空飛ぶタクシー」が現実のものになろうとしています。
SFのような話ですが、技術的には実現可能な状態にあるそうです。
いわゆる人が乗ることができるドローンみたいなもので、eVTOLと呼んでいます。
どのようにビジネス化していくのか
じゃあ、何がネックになっているかというと、機体開発、インフラ設備、運行システムを開発する費用を含めて、ビジネス化するための全体の設計です。
ここを得意としているのが、配車システムのウーバーで、いま最も現実的な構想を持っているのだそうです。
記事を読むと、ウーバーの構想が壮大であることがわかります。
それによると、15秒から30秒おきに「空飛ぶタクシー」を飛ばし、大量輸送を実現することで、今のタクシーよりも低価格化を実現しようとしています。
そのためには、AIを駆使した運行システムの開発が必要ですが、ウーバーはこの分野で最先端にいこうとしています。
さすがソフトバンクが巨額の融資を実行した会社ですね。
政府が全面バックアップしなければ進まない案件かも
日本では残念ながら取り組みが遅れています。
技術的にはクリアできそうだそうですが、ビジネス化する上で問題があるようです。
1)地下鉄などが十分に整備された日本の都市で、eVTOLが参入できる市場はあるのか。逆に、過疎地(離島交通など)での利活用では、十分なコストとオペレーションが可能か2)政府にeVTOLのような次世代航空機を機体認証する前例がなく、認可がとれないのではないか(米国で機体認証すると膨大なコストが掛かる)3)日本は内燃機関に強いメーカーが多く、eVTOLに対して企業トップが理解を示さない4)航空機のパイロットや整備要員などが、米国やドイツに比べて圧倒的に少ない5)既存交通機関と共存し、相乗効果を生み出す日本型モデルが必要
つまり日本国内で完結させるとビジネスとして成り立たないという懸念です。
交通機関やタクシー会社などは既得権益があるのでやりたくないでしょうし、ベンチャーがこれだけ大掛かりなことに取り組むのは難しい。というか妨害されて大変でしょう。
ここは政府が全面バックアップの上で、ソフトバンクあたりが主導して強引に取り組まないと進みませんね。
あるいは、東南アジアやインドなどで実証実験を行い日本以外でビジネス化を構想するような、今までにないスケールが求められます。
そんなことができるのはソフトバンクぐらいじゃないの?と思ったりします。
なにしろ、実現すればばかでかいビジネスです。機体を作るだけでも一大産業が出来上がりますし、本来、日本企業の得意分野のはずです。
ここは何としても取りこぼしのないようにしてほしいものです。
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