トヨタに迫るVW 車づくりの「常識」に挑む(日本経済新聞・有料会員限定)

■日経新聞の記事です。いつも有料会員限定を紹介してすんませんm(_ _)m

ドイツのフォルクスワーゲンが、トヨタ超えを虎視眈々と狙っているという内容です。

トヨタに正面から挑んでも敵わない(というか、正面から挑むと、金がかかって仕方がない)ので、トヨタの弱点を狙っていくわけです。

たとえば、地域。トヨタは北米に強いので、ワーゲンはヨーロッパに攻勢をかけます。

当たり前といえば当たり前。日産も、南米や中国に狙いをつけています。

ただ、背景には、リーマンショック以来のアメリカ市場の衰退があります。相対的に新興国や欧州の市場の魅力度が上がっています。

トヨタにとって「チーズはどこへ行った?」状態です。


■もう一つは、製造方法。トヨタや日本メーカーが得意とするすり合わせ技術では追いつけないので、オープン方式を標榜しています。

これは、汎用部品を使える範囲を広げた設計にして、調達コストとリスクを下げようという方法のようです。

ハイブリッド車など複雑な設計にはすり合わせ技術が効力を発揮しますが、電気自動車の時代になると複雑な製造作業は不要だといわれているので、こちらの方がよいのかもしれません。

トヨタとすれば、強みを活かせない方式をとられているわけで、おいそれと模倣することができません。

なんとも悩ましい。要するに、フォルクスワーゲンのやっていることは、「相手の得意な競技ではなく、自分が勝てる競技、戦える競技にエントリーして、勝ちきる」という戦略の常套です。

トヨタはきっと「ええ加減諦めろよ――」とフォルクスワーゲン側に思っているのでしょうね。GMも日産も今はトヨタを追うポジションにありません。

背中に手が届くのはワーゲンだけです。ヨーロッパに拠点を置くという地の利もあります。

「そうはいくかーー。お前の時代を終わらせてやるー」てなもんですな。いや違う。「あんたらは、北米と日本でやりゃあええやん。うちはこっちで独自にやりますんで」てな感じですね。

■営業コンサルの立場からすると、営業関連の差別化策が気になるところです。

プロモーション・営業の方法。拠点のあり方。価格。デザイン思想など。

この記事からはわかりません。そもそもフォルクスワーゲンの戦略が、競争のフィールドをずらして、競合しないようにしようというものですから、現場の営業方法は、重視していないのか。

いや。トヨタを徹底研究しているということですから、営業方法についても差別化をしているはずです。


また記事が出てきたら、採り上げたいと思います。