三菱商事と日産自動車が、欧州で電力安定供給システムを構築、実証実験にはいるという記事です。

このシステムがEV(電気自動車)の本格的な普及を後押しすることになると考えられています。

EVが本当のエコカーになるためには、火力発電に頼ってはダメ


EVが本当のクリーンエネルギー車になるためには、電力そのものが化石燃料を使って作るものではダメです。

火力発電所で既に二酸化炭素を放出しているわけですからその電気を使うEVもクリーンではありません。

自然エネルギーである水力、太陽光、風力、波力、地熱を使った発電ならば、二酸化炭素を放出しませんので、はじめてエコカーといわれるわけです。(水力発電は、自然環境破壊が大きいので、できるだけ避けたいものですが)

ところが自然エネルギーは供給が不安定です。とくに太陽光、風力に関しては、自然条件によって発電できない日があります。

そんな時、どうするのか。

考えられたのがEVを使って受給調整をする方法です。

EVを蓄電装置として使う


EVは蓄電することができます。記事にある充放電ステーションにつないでおくと、EV内の電池に電気が充填されます。

もし雨の日が続いたりして社会的に電力不足に陥れば、EVに貯めこんだ電力を逆に社会に還元すれば急場をしのぐことができます。

雨不足の時に無数の溜池から水を戻すようなイメージですね。

各家庭のEVが電力需給システムに組み込まれる


将来的には各家庭のコンセントにつないでいるだけで需給調整ができるようなシステムを構築することを目指しているはずです。

各家庭のEVが電力需給調整装置になれば、供給過剰な日に貯めておくことができるので、より電力不足が回避できそうです。

それに、各家庭で発電した電力を貯めておき、電力会社に販売するという仕組みも本格化しそうです。

このシステムが機能すると、自然エネルギーだけで動く町(エコシティ)が実現するのではないかと期待されています。

今回の実証実験は、その第一歩。EVシフトに賭ける日産らしい試みです。