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航空機産業は、厳しすぎる状況です。

直近では世界の航空便需要は80%減に。

今年1年の予想でも約半分になると考えられています。

ボーイングが経営危機に


トップのボーイング(米)は、受注残が400機以上あった主力機の事故対応による生産中止や、コロナ禍による需要低迷で、経営危機に陥っています。

アメリカ政府が緊急支援に踏み切ったという報道もありました。

ライバルのエアバス(仏)が、小型航空機2位のボンバルディア(カナダ)の旅客機部門を買収したので、対抗上、1位のエンブラエル(ブラジル)買収を計画していたのですが、この状況では、他企業の買収などとてもできないでしょう。

ちなみに、ボーイングに部品を納入している日本企業も打撃を受けています。東大阪など、ボーイングに依存しているような部品工場があるので、厳しい立場に追い込まれそうです。


トップ2のエアバス(仏)も、無傷ではありません。

鳴り物入りで導入した超大型機がイマイチ売れないところに、コロナ禍です。

ボーイングと比べればマシかも知れませんが、敵失につけ込む余裕はなさそうです。

エンブラエルも戦略の見直しへ


買収取りやめとなったエンブラエル(ブラジル)は、小型機のトップ企業ですが、軍用機に集中する意向をもっており、ボーイング社に旅客機部門を譲渡する予定でした。

ところが、コロナ騒動で、株価が70%下落する事態となっており、そりゃボーイングも買収を止めたくなりますよ。

エンブラエルは、戦略の練り直しが必至です。

三菱の旅客機はいまだ完成せず


100席程度の小型旅客機は、従来、成長が見込める分野だったのですが、このところ、雲行きがよろしくありません。

2位のボンバルディア(カナダ)は、旅客機部門を既にエアバスに売却しています。同社は、鉄道部門も売却し、ビジネスジェットに集中する意向です。

オール日本体制で期待される三菱航空機のスペースジェットは、200機以上の受注残を抱えながら、いまだ完成していません。

5回も6回も完成延期を繰り返しており、いったいどうなっているのかわけがわかりません。

同社はボンバルディアのサポート部門を買収したところなので、撤退する気はないのでしょうが、ここまで遅れるのは異常ですよね。

一方、ビジネスジェットの分野では、ホンダジェットが好調を伝えられ、納入機数は世界トップです。

明るい話題はホンダだけですな。

でも、こちらもコロナ禍で、計画の見直しを迫られることでしょうが。