アマゾンが、今度は起業支援に乗り出すそうです。
ラストワンマイルの小規模宅配業者を支援
記事によると、アマゾンの配送を担う事業の起業者を支援するとのことです。
アマゾンといえば物流こそがネット通販の勝負どころと考え、莫大な投資をしてきましたが、弱点となっていたのが、最後のところ、物流の中継所から各家庭に届ける最後の数百メートルです。
ここを外部の宅配業者に頼ってきたわけですが、近年、安くこき使われた宅配業者側が待遇の改善を求めて、アマゾンとの取引を見直しする傾向にありました。
かといって自社でローカルな宅配事業を始めるのもコスト的に無理があります。世界中ですから。
その課題を解決する策として見出したのが、宅配を担う事業者を自ら支援して生み出そうという方法のようです。
アマゾン側は起業者に対して、
・一定量の業務・業務に必要なテクノロジー・業務に関する研修・業務に必要となるアマゾンのサービス・資産の利用料の割引・業務用のリース車両、保険加入
を提供するとしています。
一定の仕事量も確保できるし、仕事のノウハウも教えてくれるし、使用するための設備も安くしてくれるし。と至れり尽くせりの感があります。
特にアメリカでは、退役軍人に仕事を作るという社会的課題の解決も兼ねているようです。
零細事業者を活用するノウハウが事業を加速する
ただアマゾンのことなので、うのみにできない怖さもありますね。
アマゾンからの仕事がなければ成り立たない事業となるので、言いなりになってしまいます。
コンビニのフランチャイジーのように、忙しいだけで全く儲からない、という状態にならないという保証はありません。
あるいは起業者が多くなりすぎて、仕事が足りないという事態になるかも知れません。
しかし、この事業が成功する方が、アマゾンにとってはメリットがあります。
アマゾンの支援を受けた成功者が世の中にあふれるようになると、アマゾンに起業希望者が集まってくるようになります。
そうなると、アマゾンにとって、事業展開のスピードや選択肢が大いに広がることになります。
次にアマゾンが手掛ける事業において、零細事業者の力を活用できるノウハウがあれば、リスク軽減にもなるし、零細事業者を顧客にすることもできるからです。
ということで、今回のアマゾンの試みは、一石二鳥三鳥を狙える施策であると思います。
小さな収入源をてこにした囲い込み政策も
今回の募集事業は利益3000万円MAXだということですが、そこまで大掛かりでなくても、副業程度に、月2〜3万円程度稼ぐアルバイトを作ることができれば、さらに強力です。
アマゾンの決済システムを利用することを義務づけてアルバイト契約をすれば、収入、支出ともにアマゾンを通すことになります。
これは強力は囲い込みです。
いまいちネット通販に馴染まない人も、収入になると思えば、取り組むかも。
日本のスマホ決済普及の鍵は、案外、こういうところにあるのかも知れません。
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