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トヨタが、EV(電気自動車)の電池を内製化する、というニュースです。

電池は、EVにおけるエンジンです。最も重要な機関ですから、これを外注に全て任せてしまうのは良くないと考えるのは自然です。戦略として正しいと思います。

電池開発で協力しているパナソニックとしては面白くないでしょうが、仕方ありません。

パナソニックは、また袖にされた


それにしてもパナソニックは、テスラに続き、トヨタまでにも袖にされてしまいました。いや、内製化は生産に関してだけで、共同開発の考えは変わらないと、パナソニックの担当者は仰っているようですが、かなり温度差があるように感じますよ。

テスラの場合、何をするかわからない(ex代表がプーチンに決闘を申し込む)メーカーなので仕様がないと同情されていましたが、トヨタにも同じ扱いを受けたかとなると、もしかしたらパナソニックの開発姿勢や体制に問題があるのではないかと勘繰りたくなります。

ここはパナソニックも腰を据えて、自社の方向性を考えなおさなければなりませんな。

30年間成長しないパナソニックに復活の目はあるのか

欧州が再びガソリン車にシフトする可能性


気になるのは、この記事の後半です。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本氏は「EVには充電や価格などの課題が多くあり、どう考えても難しいことを進めている。いずれ揺り戻しがあるのではないか」と見通す。

何を言っているかというと、EV普及のための技術諸問題がクリアできず、結局、ガソリン車に戻そうと、欧米が言い出すのではないかという説です。

実は、欧州では、CO2を排出しない燃料の研究が進んでおり、ガソリン車を完全に捨てる姿勢ではないそうです。

一気にEVにシフトすると見せておいて、日本勢がガソリン車を捨てた時点で、ガソリン車もOKにする、という性格の悪い欧州の企みがあるかもしれない、と記事では言っています。

謀略に強い欧州に備えよ


ひどい話ですが、自分たちが有利なようにルールを改正するのは、欧州の得意技です。

EVは必ずしも環境問題の解決にならないという根強い意見があります。それなのに、欧州が、ハイブリッドもプラグインハイブリッドも認めない、と極端なEVシフトに流れる理由は、ガソリン車に強い日本勢の優位を削ぐためだという裏読みがありました。

もし日本勢がEVでも優位性を発揮すれば、欧州がまたルールを変更することはありえないことではありません。

権謀策術の中で生きてきた欧州の人たちのしたたかさを見誤ってはいけませんな。

上兵は謀を伐つ(孫子・謀攻篇)

そのあたりをわかっているのか、トヨタは、今でもEVシフトに懐疑的で、燃料電池の開発を諦めていないはずです。欧州の謀略にはまらないように、備えをしていかなければなりません。