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このニュースには驚きました。

カルビーの松本晃会長兼CEOが、RIZAPグループのCOOに就任したとか。現場のトップです。

人材を集めることにかけては定評のあるPIZAP瀬戸社長の「人たらし」ぶりがあらためてうかがいしれますな。

名うてのプロ経営者を招聘


松本氏といえば、ジョンソンエンドジョンソン日本法人社長を経て、カルビーに招かれました。オーナー同族企業だったカルビーにコーポレートガバナンスを持ち込み、経営を近代化させただけではなく、8期続けて増収増益させ、プロ経営者としての評価を高めました。

今年、いささか唐突にカルビーを辞めたのは、創業家とひと悶着あったのかも知れません。

が、まだまだ若い松本氏ですから、その去就が注目されていました。

それがよりによってRIZAPグループのCOOになるとは。

松本氏ならば、引く手あまただっただろうにと余計なお世話ながら思ってしまいます。

驚異的な急成長だが中身は薄い


RIZAPグループは言わずと知れた「結果にコミットする」フィットネスジムを中核とする企業グループです。

2017年3月期の売上高は、953億円。前年比172%。

4年前と比べると、実に5倍以上の売上アップとなっています。

その急成長の原動力になっているのが、フィットネスジムの成長と、超積極的なM&Aの実施です。

フィットネスジムに関しては、積極的な広告宣伝効果もあり、好調をキープしているようです。私はいまだに「リバウンド必至やろ」と疑っていますが、一瞬でも理想の体型になれるのなら、それも良しなのかも知れません。

M&Aに関しては「ダボハゼ投資」と揶揄されるような無軌道ぶりです。

ボロ企業を買い続けるライザップの危うさ

この記事によると、株を安値で買って「割安購入益」を計上することで、利益を上げているとか。

2017年3月期から同社が採用したIFRS(国際財務報告基準)では、企業を正味の価額より安く買収できる場合、“割安購入益”が計上される。それが利益を押し上げた。例えば、純資産価額が10億円の企業があるとする。この企業を3億円で買収した場合、買収企業には7億円の割安購入益が発生する。

現状の収益構造を見ると、フィットネス事業よりも割安購入益のほうが大きい。

このような形で株価を押し上げる経営手法は、なんだかITバブル期の企業群を彷彿とさせますな。。

人材を集めることが急務


RIZAP側とすれば「必要だから買ってるんだ」と言うでしょうが、グループ構成をみてみると、アパレル、ネットビジネス、出版、サッカーチームと何がなんだかわけが分からない状態です。

松本氏は「おもちゃ箱」に例えましたが、その通りで、瀬戸社長の個人的な夢や思いがこめられたグループ拡大だったのでしょう。

正直にいって今のRIZAPグループは実体に乏しいと言わざるを得ません。

中核事業のフィットネスジムは確かに好調ですが、これはトレーナーの属人的な能力に頼らなければならないビジネスです。

瀬戸社長は「結果にコミットする」手法には汎用性があると主張していますが、他の事業が大成功したという話も聞きません。規模は膨らんでいますが、その成果は、いまだ未知数です。

瀬戸社長とすればそれも充分承知で、優秀な人材集めに余念がありません。松本氏のような大物経営者の招へいは、大金星だったと言えるのではないでしょうか。

ダイヤモンドができるか、灰になるか


もっとも松本氏の合理的な経営手法が、ベンチャー然としたRIZAPにどこまで馴染むのでしょうか。

今は瀬戸社長の人柄を絶賛し「瀬戸社長を一流の経営者にする」と抱負を述べている松本氏ですが、カルビーの時とは違ってトップマネジメントではありません。

どれほど力を発揮できるのでしょうか。

化学変化を起こして純金が精製されるのかも知れません。あるいはかつてのソフトバンクのように尻切れトンボのようになってしまうのかも知れません。

何年か経ってみないとわかりませんね。